憲法9条がノーベル平和賞もらえればいいのに

朝日新聞事件に対する誇大批判こそが日本を貶める
Jeff Kingston, Japantimes

要旨
朝日新聞はこのところ、任天堂社長インタビュー捏造、福島原発作業員の命令違反の誤った記事、韓国人慰安婦に関する信頼性に欠ける90年代の記事訂正をしなかったことを認めた。同紙の池上彰氏によるシリーズコラムの韓国人慰安婦に関する文章を検閲したことで、倫理的責任、信頼回復を果たす目的で始めた努力はとんだお笑い種となった。

そして右寄りのメディアは必要以上に朝日を攻撃。こういったメディアは、まずジャーナリズムの観点から自らを省みるべきだ。リベラル(改革主義)朝日に苦しめられてきた保守派政治家、復古主義者、腐敗した権力者等々は、総理大臣安倍普三も含め、今回窮地に陥っている朝日に溜飲を下げている。

当然、チーム安倍は朝日事件を政治的に利用している。長きに渡る右翼の最大の敵である朝日を手始めに、日本のアイデンティティを再定義するために保守派がしかけた大掛かりな文化戦争の様相だ。

朝日は吉田清治の供述の信用性が失われた後にも、この供述を根拠として、戦時中に女性を強制的に徴集し性的な隷属状態に置いていたという立場をとっていた。しかし吉田清治の供述以外にも、実際にこの強制連行従軍慰安婦システムが広く普及し、暴力を背景に人権をおぞましいまでに侵害していたという証拠は十分に存在する。

復古主義者は朝日事件を利用して、従軍慰安婦の存在をなかったことにしようとしている。女性たちは銃剣をつきつけられなかったけれど志願したのだ、と証明したとしても、10代の少女を性的な目的のために徴集した事実の言い訳をすること自体がみっともない。

日本帝国陸軍が1932~45年に、若いアジア人女性を徴集して性的な奴隷状態に置いた「コンフォート・ステーション(慰安所:売春宿の婉曲表現)」を運営していたことに疑いはない。前総理大臣 中曽根康弘氏は、海軍任官時代に自らがその存在に関わった、と認めている。こういった資料は政府支援により「Asian Women’s Fund」が集めたもので、国会図書館がホストのAWFデジタルライブラリーで誰でも確認できるし、甚だしい数の証拠文書がある。「Chinese Comfort Women」(Peipei Qiu, 2014) は安倍歴史上塗り内閣 (米国ティーパーティみたいな復古主義的メンバーが15名含まれている)に是非読んでもらいたい。

河野談話の起草に関わった石原信雄は、従軍慰安婦制度での脅迫による徴集と軍の関与を認めた内容の裏付け資料として、吉田の供述は一切採用していないと述べている。

復古主義者は「海外での日本の評判を貶めた」として朝日を槍玉にあげつつ、従軍慰安婦を大きく取り上げている。しかし、戦時中の残虐行為を認められず、否定して矮小化することが日本の名声を傷つける。被害者の女性の回復も妨害している。

新たに総務省大臣に任命された高市早苗氏は、河野談話に代わる新規声明を求めている。これは未曾有の外交的失策になる。対外的には日本は野蛮で無責任と映る。だから実現はしないだろう。安倍内閣メンバーはこうした否定論者から構成されていることが驚きだ。彼らこそがその存在により日本の地位を貶める。

吉田昌郎福島第一原発所長の証言を朝日が歪曲して報道したことを産経新聞は批判しているが、両紙とも自社の論旨を証言から読み取り記事にしている。90%の作業員が指示に反して避難しているが、混乱の中で指示を理解できたかどうか疑問だ。また吉田所長は、東電本部が避難に関する自分の報告を理解しておらず、総理大臣に状況を正しく伝えなかったことについて批判している。次々と続けざまに起きる手に負えない災害に対処する吉田所長との意思疎通では、歪んだ情報がやりとりされていた。

緊急システムの正しい使用法を知らなかったことを吉田所長が認めていることも気がかりだ。原子力規制委員会の新安全基準は不完全で、原子力産業界はこの危機から安全性管理について学んでいないことは明らかだ。

政治的理由によるバッシングの最中ではあるが、朝日はこれまでに、不祥事を公にして世の中の透明性を促進し、日本の民主主義に大きく貢献してきたことも忘れないようにしたい。朝日が戦時中の過去を掘り下げることで日本の評判を高めたことも事実だ。日本国民は原発再稼動、武器輸出、集団的自衛権、秘密保護法に反発している。安倍政権は日本国民を無理やり引きずって右翼側に進んでいる。今、言葉巧みなごまかしを暴いてもらうために朝日に足元を立て直してもらうことを、日本はこれまでにないほど必要としている。

人権:全ての個人は公平に待遇されねばならず、残虐な方法で扱われないという最も基本的な権利の一つ。特に政府機関による扱いについて。
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